ここは騎士養成学園の中庭。
 現在、ハルリア、セリアーナ、マルルゼノファ、シャルルカーナ、四人は草むらにシートを敷き座って話をしている。

 あれからハルリアは、剣術の試験を全て終えセリアーナとマルルゼノファとシャルルカーナを待っていた。
 その後、三人が試験を終えハルリアの所にくる。
 それからお昼を食べるため、この中庭まできた。

 ハルリア達は、シートの上にお弁当を広げている。

 「ハルリアのお弁当、量が多いですわね。それ全部、食べるのですか?」

 そう言いシャルルカーナは、ハルリアの眼前にある三段重ねの弁当箱をみていた。
 因みに三段ある弁当箱の中身は、色々入っている。
 一段目がサンドパン。二段目が色々なおかず。三段目がフルーツやケーキみたいなデザート類である。
 これらは一応、ハルリオンが作って詰めてきたのだ。見た目も綺麗で女子力は結構あるらしい。……中身はオッサンなのだがな。

 「ええ、勿論自分で食べますわ。何か変でしょうか?」
 「ハルリアさん……いえ、変と言うか……その小さな体のどこに入るのかと」

 そうマルルゼノファが言うとハルリアは、キョトンとする。

 「どこに入るってお腹の中ですよね?」
 「クスクス……確かにハルリアの言う通りね。でも、そんなに食べて太らないの?」

 そうセリアーナに言われハルリアは、ムッとした。

 「太るって……そんなことありませんわ。それにお腹がすいていては、いざという時に動けないのですのよ」
 「んー確かにハルリアさんの言う通りだ。そんな状態じゃ、本来の力が半減する」
 「そうね……私も太ることを考えないで食べようかしら」

 そう言いシャルルカーナはおかずを口に運び、パクリと食べる。

 「それはそうとハルリア、次の実技試験は何を選んだの?」
 「セリアーナ、私は魔法や魔術の試験を選んだわ」
 「魔術系ですか……僕は、格闘術系にしました」

 それを聞きシャルルカーナも口を開いた。

 「私は、槍術にしましたわ。多少なら習ったことがありますので」
 「シャルル、凄いわね。私は、弓術を選んだわ」
 「まあ、セリアーナは弓術ですのね。ですが、アレは結構……難しいですよね?」

 そう言いシャルルカーナはセリアーナをみる。

 「そうかな? 私は父とよく狩りに行っていたので、そこで教えてもらったから」

 それを聞きハルリアの脳裏に一人の男が浮かんだ。

 (……リベス・ベルドル。確かオレの隊で、唯一弓の優れた使い手だった。そういえば丁度あの頃、辞めてたな)

 そう思いながらハルリアは、セリアーナを見据える。

 「あ、そろそろ時間ですわ」

 そうシャルルカーナが言うと三人は頷いた。

 「じゃあ終わったら、みんなここに集まりましょう」
 「そうだな……みんな種目が違うだけに、試験内容とかも気になる」
 「分かりましたわ。みなさん、頑張ってくださいね」

 そう言いハルリアは、ニコッと満面の笑みを浮かべる。
 それをみた三人は、ホワーンっとなり顔が緩んだ。
 その後、お弁当やシートなどを片づける。
 そして四人は、各々の試験場へと向かったのだった。