ハルリアはセリアーナとマルルゼノファに師匠が誰なのかと聞かれて言葉に詰まった。

 「あーえっと……そうね。隠しても、いつかは分かってしまうだろうし……話すわ。私の師匠は、ハルリオン様なの」

 目を泳がせながらハルリアはそう応える。
 それを聞いた二人は、一間隔おいたあと驚き仰け反った。

 「え、ええ……ちょっと待ってください。それは本当なんですか?」
 「待って、ええ……それって本当なの?」

 そう二人に問われハルリアは、コクリと頷く。

 「本当よ。だけど、今は師匠が行方不明だから……」

 そう言いハルリアは俯いた。……勿論、これは演技である。

 「……そうか。でも、それならハルリアさんが強い理由も納得いくな」
 「ええ、そうね。だけど、まさか……あのハルリオン様が師匠だとはね。ハルリア、羨ましいわ」
 「そ、そうかしら……。あ、そろそろ控室にいかないと」

 それ以上突き詰められるとまずいと思い、ハルリアは話題を変えた。

 「そうね……行きましょうか」

 そうセリアーナが言うと二人は頷く。
 その後、三人は控室へと向かった。


 ★☆★☆★☆


 「ここが控室みたいね」
 「セリアーナ、そうみたいだな。だけど、なんで控室で待機なんだ?」

 そう言いマルルゼノファは首を傾げる。

 「恐らく、仕掛けをみられないようにだと思うわ」
 「そうね……ハルリアの言う通りだと思う」
 「なるほど……そういう事か」

 納得しマルルゼノファは頷いた。

 (ああは言ったが……確かに変だ。なんのために……)

 ハルリアはそう思考を巡らせる。

 「じゃあ、俺はアッチの控室だから」

 そう言いマルルゼノファは、隣の控室に向かい歩き始めた。
 その時ハルリアは考えごとをしていたため、マルルゼノファのあとをついて行ってしまう。

 「あ、ハルリア! そっちは、男子の控室よ」

 セリアーナの声に反応しマルルゼノファは振り返る。

 「えっ、ハルリアさん……どうして?」

 そう聞かれハルリアは、ハッと我に返り辺りを見回した。

 「あ、あーごめんなさい。ハハハ……こっちじゃないわよね」

 そう言いハルリアは苦笑する。その後、そそくさと女子の控室の方に向かった。
 それをみたマルルゼノファは、心の中で大うけし笑っている。それから控室に入っていった。
 ハルリアはセリアーナが待つ控室の前までくる。

 「ごめんなさい。考えごとをしていて……」
 「そうなのね。でも一瞬、驚いたわよ……ハルリアが男性の控室の方にいったから」

 そう言われハルリアは顔を真っ赤に染めた。

 「ハハハハハ……。それはそうと……中に入りましょう」

 そうハルリアが言うと、セリアーナは頷き扉を開け中に入る。そのあとをハルリアが追った。


 ★☆★☆★☆


 ここは控室の中。部屋内には数名の女子が、まばらに座っている。
 ハルリアは部屋に入った瞬間、目を輝かしていた。

 (おお……女ばかりだ。これは、目の保養にいいな)

 そう思いながらハルリアは、一人ひとり順にみる。

 「ハルリア、あそこ空いてるわ」
 「あ、本当ね」

 そう言い二人は空いている長椅子へと向かった。
 そしてハルリアとセリアーナは、長椅子までくると座る。その後二人は、呼ばれるまで話をしていたのだった。