ここは学園の中庭。周囲には草花や木々が生えており、ちゃんと綺麗に手入れされている。中央には大きな噴水があって、水しぶきが上がり涼しそうだ。
その噴水の近くのお洒落な長椅子には、ハルリアとセリアーナが居て話をしている。
あれからハルリアは礼儀作法の試験を受けた。難はあったものの、なんとかやり遂げる。
その後、試験が終えるとハルリアはセリアーナに誘われここにきた。
そして現在、ハルリアはセリアーナの手作りクッキーを食べながら他愛のない話をしている。
「ハルリアの姓……アルパスって、珍しいわよね」
「あーええ、そうね。この姓は、この国でも北のアーギス領土に多い」
そう言いハルリアは、北の方角に視線を向けた。
これは事実である。それとこのアルパスの姓は、ハルリオンの亡き母親の旧姓だ。
セリアーナはハルリアの様子をみて気になる。
「そうなのですね。そうなるとハルリアは、アーギス地方の出身ですの?」
「いや……あー、いえ……違いますわ。ワタシは……この王都の南にあるバーバビア領土、サザナギの村の生まれです。今はセルギスの森で一人で住んでいる、の」
「まぁ、それは……一人で暮らしてるなんて……色々あったのね」
それを聞きセリアーナは、余りにも不憫になりハルリアを抱き寄せ頭を撫でた。そして、セリアーナは涙ぐむ。
ハルリアはセリアーナの胸が頭に当たり顔を赤らめる。まぁ心の中では、ニヤケているのだが……。
「……そうね。あっ、そうそう……セリアーナはどこ出身なの?」
そう言いながらハルリアは、セリアーナから離れた。
「あっ、私は……このリュコノグルの城下町で育ったの。だから、貴族ではないのよ。そういえば、ハルリアも貴族じゃないのよね?」
「あっ、うん……そうなるわね」
「そっかぁ、じゃあ……二人の時は普通に話さない?」
セリアーナがそう言うとハルリアは驚く。
「ふ、普通に……って。ハハハ……どうだろう……」
どう話したらいいかハルリアは困る。普段の話し方が、男みたいなうえ汚い言葉だからだ。
そう弟子たちに散々言われ、打ちのめされ自覚していたからである。
「もしかして、言葉が汚いとか? それとも、変なナマリがあるのかなぁ」
「それは……そうね。言葉が汚いって言った方がいいかも。変にボロを出したくないかなぁ、って……」
「そっかぁ……でも、どっかで息抜きしないとバテちゃうよ。もし、私に気兼ねしてるなら……本当に気にしないよ」
それを聞きハルリアは頷いた。
「そうか……でもなぁ……。本当だな? だが……なぁ……」
「あーイライラする!? 分かった! こうしよう……あとでいいから、本当のハルリアをみせてね」
そう言いセリアーナは、ニコッと満面の笑みを浮かべる。
ハルリアはそう言われ、コクリと頷いた。そして顔を赤らめ、セリアーナに見惚れる。
(やっぱりアンリーナ……に、似てる。性格まで……でもまさか。もしそうだとしても、可能性は……どうだろうな)
そう思いながらハルリアは俯いた。気になるが聞けない、今の自分の姿では余計である。
「どうしたの? えっと……私、何かまずいこと言っちゃったかな……」
「あー、ううん……大丈夫。ちょっと考えちゃっただけ」
「そっかぁ。もし悩みごとがあったら言ってね」
それを聞きハルリアは頷いた。
それから二人は、しばらく話したあとこの場を離れる。
その時ハルリアは、セリアーナの姿がみえなくなるまで見守り考えていたのだった。
その噴水の近くのお洒落な長椅子には、ハルリアとセリアーナが居て話をしている。
あれからハルリアは礼儀作法の試験を受けた。難はあったものの、なんとかやり遂げる。
その後、試験が終えるとハルリアはセリアーナに誘われここにきた。
そして現在、ハルリアはセリアーナの手作りクッキーを食べながら他愛のない話をしている。
「ハルリアの姓……アルパスって、珍しいわよね」
「あーええ、そうね。この姓は、この国でも北のアーギス領土に多い」
そう言いハルリアは、北の方角に視線を向けた。
これは事実である。それとこのアルパスの姓は、ハルリオンの亡き母親の旧姓だ。
セリアーナはハルリアの様子をみて気になる。
「そうなのですね。そうなるとハルリアは、アーギス地方の出身ですの?」
「いや……あー、いえ……違いますわ。ワタシは……この王都の南にあるバーバビア領土、サザナギの村の生まれです。今はセルギスの森で一人で住んでいる、の」
「まぁ、それは……一人で暮らしてるなんて……色々あったのね」
それを聞きセリアーナは、余りにも不憫になりハルリアを抱き寄せ頭を撫でた。そして、セリアーナは涙ぐむ。
ハルリアはセリアーナの胸が頭に当たり顔を赤らめる。まぁ心の中では、ニヤケているのだが……。
「……そうね。あっ、そうそう……セリアーナはどこ出身なの?」
そう言いながらハルリアは、セリアーナから離れた。
「あっ、私は……このリュコノグルの城下町で育ったの。だから、貴族ではないのよ。そういえば、ハルリアも貴族じゃないのよね?」
「あっ、うん……そうなるわね」
「そっかぁ、じゃあ……二人の時は普通に話さない?」
セリアーナがそう言うとハルリアは驚く。
「ふ、普通に……って。ハハハ……どうだろう……」
どう話したらいいかハルリアは困る。普段の話し方が、男みたいなうえ汚い言葉だからだ。
そう弟子たちに散々言われ、打ちのめされ自覚していたからである。
「もしかして、言葉が汚いとか? それとも、変なナマリがあるのかなぁ」
「それは……そうね。言葉が汚いって言った方がいいかも。変にボロを出したくないかなぁ、って……」
「そっかぁ……でも、どっかで息抜きしないとバテちゃうよ。もし、私に気兼ねしてるなら……本当に気にしないよ」
それを聞きハルリアは頷いた。
「そうか……でもなぁ……。本当だな? だが……なぁ……」
「あーイライラする!? 分かった! こうしよう……あとでいいから、本当のハルリアをみせてね」
そう言いセリアーナは、ニコッと満面の笑みを浮かべる。
ハルリアはそう言われ、コクリと頷いた。そして顔を赤らめ、セリアーナに見惚れる。
(やっぱりアンリーナ……に、似てる。性格まで……でもまさか。もしそうだとしても、可能性は……どうだろうな)
そう思いながらハルリアは俯いた。気になるが聞けない、今の自分の姿では余計である。
「どうしたの? えっと……私、何かまずいこと言っちゃったかな……」
「あー、ううん……大丈夫。ちょっと考えちゃっただけ」
「そっかぁ。もし悩みごとがあったら言ってね」
それを聞きハルリアは頷いた。
それから二人は、しばらく話したあとこの場を離れる。
その時ハルリアは、セリアーナの姿がみえなくなるまで見守り考えていたのだった。