【優斗side】

 三島が部室を去った後、俺は一人、今のやり取りを振り返っていた。
 そして、昨夜の藍との会話を思い出す。

 藍の様子がおかしくなった原因については、心当たりはあった。
 けど、藍に直接それを聞くのが怖くて、何もできないでいた。

 啓太が背中を押してくれてよかった。
 でなければ、このままずっと、何もできないままだったかもしれない。

(もっと、ちゃんと向き合わないといけないな)

 三島のおかげで、そう心に決めることができた。
 あとはアイツの言う通り、藍としっかり話をするだけだ。
 例えそれで、藍との関係が、二度と戻らないくらいに壊れたとしても。