「明日は野獣の討伐だ。フゥー、眠いし……そろそろ寝るか」
俺は明日この草原の南側にある森を抜け、野獣の住処までいく。勿論、依頼でだ。
そう俺は、野獣を討伐するためにここまできた。
寝袋に入り俺は、疲れていたせいか早々と眠りにつく――……
★☆★☆★☆
……――俺は眠りにつき、それほど経たずに目覚める。
だが周囲に霧がかかっていて、俺はなぜかみたこともない場所に立っていた。
「ここはどこだ? 確か俺は、野宿をしていたはず……」
そう思いながら先へ進んだ。
――どうなってる? いったい、ここはどこなんだ。まるで雲のような地面。まさか天国って訳じゃないよな。
そう思うと俺の顔が、ミルミル青ざめていく。
★☆★☆★☆
俺は色々考えながら歩いていた。すると、豪華な飾りのついた神殿のような建物が目の前に現れる。
不思議に思い俺は首を傾げた。
――んーこの建物……派手過ぎて、ここには似合わないような気がするんだが。
そう思い建物の中へと入る。
――おい、なんなんだ!? 建物の中に入ったはずなのに、なんで宝石やアクセサリーが……辺り一面に散らばって……。
なんだここはと思いながら奥へ奥へと進んだ。
その途中、ただならぬ気配を感じ立ち止まる。
そして、この奇妙な気配はどこから? と周囲を見回してみた。
すると、どこからともなく声が聞こえてくる。
「エリュード・グリフェ、よく迷わずここまでこれたわね」
その声を聞き俺は、ゾッとし顔から血の気が引いた。
――声は男、話し方が女みたいだ。いったい……。
そう思いながらも、その声の主が気になり先に進んだ。
★☆★☆★☆
無駄に広い建物内をどこまでも歩いて行くと、玉座に腰掛ける女性らしき姿がうっすらとみえてくる。
――ん? あそこに人がいる。あれが声の主なのか?
そう思い近づいていった。
「あらぁ〜、これは思っていた以上にイケメンじゃない」
その野太い声が辺りに響き渡り俺は、危機感を覚えそれ以上進めなくなる。
――なんなんだ。近づくごとに感じる、この嫌な感じは……。いや、それだけじゃない。よくみえないが、この声と姿は不釣り合いすぎる。
「どうしたの? そんな所で立ち止まったりして」
「なぜか先に進めないっ! ここじゃ駄目なのか?」
声の主との距離があり大声でそう叫んだ。
「そーねぇ。貴方を近くでみながら話をしたいから……私が、そちらに赴くわね」
その声の主は玉座から起立し歩きだす。
俺は後退りしそうになるも、足がもつれ尻餅をついてしまった。
「つう、いてぇ……」
「あら、尻餅なんかついてどうしたの? まさか、私があまりにも美しいからよろけてしまったのかしら」
そう言われ俺は大きく首を横に何度も振る。
――おい待て。こっちにくる、って!? いやいや、別にくる必要ないだろっ!
そう思うも、なぜか体が床に張りついたかのように動けない。
「フフフッ、逃げようとしても無駄よ」
そう言い俺の前に立ち見下ろす。
――大きな女神……いや、女神の格好をした禿げたオッサン……。
そう思い青ざめた。
ソイツ……女神は大きな手で俺を掴もうとする。
俺はジタバタし逃げようと試みた。
その女神の手が自分の目の前までくる。
「ウギャァァァアアアアーー……」
そう大声で叫んだ。とその時――……
★☆★☆★☆
……――ハッとし、俺は目覚め寝袋のまま起き上がる。そして、キョロキョロと辺りを見回した。
「ハァハァ、ハァ……良かった夢かぁ」
そう言い、ホッと胸を撫で下ろす。
「死ぬかと思った。まぁ流石に、あんな女神がいる訳ねえよな」
俺はそう言うと、何気に左頬を触った。
「ん? 口紅……それも夢で、あのオッサン女神がつけてたものと一緒っ!?」
そう脳裏をよぎった瞬間、その場にぶっ倒れる。その後、朝まで眠ってしまった。
朝目覚めると俺は、昨夜のことを夢だと言い聞かせ忘れることにする。
そして身支度を終えると俺は、森を抜け野獣の住処へと向かった。その後、美鈴と出逢う。――――《〜完〜》
俺は明日この草原の南側にある森を抜け、野獣の住処までいく。勿論、依頼でだ。
そう俺は、野獣を討伐するためにここまできた。
寝袋に入り俺は、疲れていたせいか早々と眠りにつく――……
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……――俺は眠りにつき、それほど経たずに目覚める。
だが周囲に霧がかかっていて、俺はなぜかみたこともない場所に立っていた。
「ここはどこだ? 確か俺は、野宿をしていたはず……」
そう思いながら先へ進んだ。
――どうなってる? いったい、ここはどこなんだ。まるで雲のような地面。まさか天国って訳じゃないよな。
そう思うと俺の顔が、ミルミル青ざめていく。
★☆★☆★☆
俺は色々考えながら歩いていた。すると、豪華な飾りのついた神殿のような建物が目の前に現れる。
不思議に思い俺は首を傾げた。
――んーこの建物……派手過ぎて、ここには似合わないような気がするんだが。
そう思い建物の中へと入る。
――おい、なんなんだ!? 建物の中に入ったはずなのに、なんで宝石やアクセサリーが……辺り一面に散らばって……。
なんだここはと思いながら奥へ奥へと進んだ。
その途中、ただならぬ気配を感じ立ち止まる。
そして、この奇妙な気配はどこから? と周囲を見回してみた。
すると、どこからともなく声が聞こえてくる。
「エリュード・グリフェ、よく迷わずここまでこれたわね」
その声を聞き俺は、ゾッとし顔から血の気が引いた。
――声は男、話し方が女みたいだ。いったい……。
そう思いながらも、その声の主が気になり先に進んだ。
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無駄に広い建物内をどこまでも歩いて行くと、玉座に腰掛ける女性らしき姿がうっすらとみえてくる。
――ん? あそこに人がいる。あれが声の主なのか?
そう思い近づいていった。
「あらぁ〜、これは思っていた以上にイケメンじゃない」
その野太い声が辺りに響き渡り俺は、危機感を覚えそれ以上進めなくなる。
――なんなんだ。近づくごとに感じる、この嫌な感じは……。いや、それだけじゃない。よくみえないが、この声と姿は不釣り合いすぎる。
「どうしたの? そんな所で立ち止まったりして」
「なぜか先に進めないっ! ここじゃ駄目なのか?」
声の主との距離があり大声でそう叫んだ。
「そーねぇ。貴方を近くでみながら話をしたいから……私が、そちらに赴くわね」
その声の主は玉座から起立し歩きだす。
俺は後退りしそうになるも、足がもつれ尻餅をついてしまった。
「つう、いてぇ……」
「あら、尻餅なんかついてどうしたの? まさか、私があまりにも美しいからよろけてしまったのかしら」
そう言われ俺は大きく首を横に何度も振る。
――おい待て。こっちにくる、って!? いやいや、別にくる必要ないだろっ!
そう思うも、なぜか体が床に張りついたかのように動けない。
「フフフッ、逃げようとしても無駄よ」
そう言い俺の前に立ち見下ろす。
――大きな女神……いや、女神の格好をした禿げたオッサン……。
そう思い青ざめた。
ソイツ……女神は大きな手で俺を掴もうとする。
俺はジタバタし逃げようと試みた。
その女神の手が自分の目の前までくる。
「ウギャァァァアアアアーー……」
そう大声で叫んだ。とその時――……
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……――ハッとし、俺は目覚め寝袋のまま起き上がる。そして、キョロキョロと辺りを見回した。
「ハァハァ、ハァ……良かった夢かぁ」
そう言い、ホッと胸を撫で下ろす。
「死ぬかと思った。まぁ流石に、あんな女神がいる訳ねえよな」
俺はそう言うと、何気に左頬を触った。
「ん? 口紅……それも夢で、あのオッサン女神がつけてたものと一緒っ!?」
そう脳裏をよぎった瞬間、その場にぶっ倒れる。その後、朝まで眠ってしまった。
朝目覚めると俺は、昨夜のことを夢だと言い聞かせ忘れることにする。
そして身支度を終えると俺は、森を抜け野獣の住処へと向かった。その後、美鈴と出逢う。――――《〜完〜》