紡が見つけた、“ある人が持つと”透明になる糸。
その謎を解明しようとしながら、絃葉との距離を縮めていく。
この物語の中で、糸は“大切な人と繋げるもの”と言われていて。
進路に迷う彼が、他人にさほど興味を抱いていないであろう彼が、大切な繋がりを見つける。
それだけでも成長物語として成立するけれど、この物語にはタイムリミットがある。
絃葉の寿命。
その描き方が繊細で、命の儚さと懸命に生きる絃葉の覚悟を感じる。
2人の出逢いは、2人にとって必要なもの。
だから、絃葉が紡に苦しんでほしくないと願っていたけれど、きっと、紡は何度も絃葉のことを想うだろうな、と感じました。