「うん、いいよ」

 私達はそっと唇を重ねあう。やわらかな、ちょっと切ないキス。
 とたん、涙が出た。
 そして、ハチ君は動かなくなる。まるで天使になったかのような綺麗な顔だった。

「ハチ君、さようなら」

 その瞬間ハチ君は、お星様になった。
 ハチ君の家族や看護師さんが駆けつけてきて、私は思い切り泣いた。