「じゃあ僕からも約束。僕ね、星奈ちゃんをずっと見守ってるよ。星になっても、生まれ変わっても、どこかで」
「ありがとう。ハチ君」

 私達は指切りをする。
 そして私はハチ君の隣に座った。草の湿った感じも気にならない。ハチ君は優しげな目で私を見ていた。

「星奈ちゃん。僕、星奈ちゃんが大好きだよ。初恋で、ずっと好きで、一番大切」
「私もだよ。ハチ君。子供の恋かもしれないけど、一生忘れないよ」
「だから、幸せになってね。いっそ僕、星奈ちゃんの子供に産まれようかな」
「気が早いよ」
「僕の人生が色付いたのは、星奈ちゃんがいたからだよ。ずっと死ぬことだけ考えて、怯えて、そんな時に病院で星奈ちゃんに出会って。いつか自分の足でそばにって思ってたんだけど」
「うん」
「一瞬だけでも、嬉しかった。そばにいられて良かった。これから誰かに奪われちゃうと思うと嫌だけど」

 苦笑いを浮かべるハチ君。

「初めては、ハチ君だから」
「僕なんかを好きになってくれてありがとう」
「それは私もだよ。本当にありがとう。ハチ君」

 のんびりとした雰囲気でふたり空を見上げる。ささやかな時間が今とても愛しい。
 今まで当たり前だった一分が、ハチ君といるととても大きな一分に思える。息をするだけで、ドキドキする。心臓が動くことさえ奇跡に感じる。好きだ。私は、ハチ君が大好きだ。あふれる想いを抑えながら私はハチ君を見た。
 長いまつ毛に白い肌、少し垂れ目気味の可愛い瞳。薄めのうっすらピンクの唇。色素の薄い髪の毛。どれも、私だけのものになればいいのに。