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「ポップコーン食べたい、僕がおごるからキャラメル味を食べよう!」
「はいはい。落ち着いてハチ君」

 映画館に着いた途端、大はしゃぎのハチ君はピンクのパーカーにベージュのパンツが今日も可愛い。ハチ君ってパーカー似合う。可愛い。
 そこで、子供がぶつかって来た。

「ごめんなさい!」

 泣き出しそうな男の子。近くに親らしき人の姿はない。もしかして。

「君、迷子?」

 ハチ君が尋ねた。

「うん。どうすればいいかなぁ」

 まだ五歳ぐらいの男の子は泣き出しそう。

「泣かないで」

 ハチ君は優しく微笑んで、男の子を撫でた。そして高く抱き上げる。

「迷子センターに連れってあげる」

 ハチ君は迷子の男の子の手を握って行った。

「星奈ちゃん、映画遅くなるかもだから先行ってて」
「私も行く!」

 私は慌てて追いかける。
 そして、無事迷子センターに男の子を届けた。