「僕と、星奈ちゃんってお似合い！？」

　動揺するハチ君。何も言えない私。
　そして頷くふたり。

「やったああああ！　夢みたい！　って、わああああ。クレープが落ちてた！？」

　クレープの落下に今更気づくハチ君。ハチ君の苺クレープは、砂にまみれて悲惨なことになっていた。あーあ。

「ハチ君落ち着いて」
「落ち着けないよ、星奈ちゃん。僕達お似合いだって！　お似合い」

　私にしがみつくハチ君はやっぱり自分がする行動の方が大胆だとは気づいていない様だった。

「はいはい」

　もう否定する気力もないぐらい私は笑った。

「いい笑顔だね、星奈ちゃん。ねーねー工藤君、写真撮って」
「了解」

　皆で大きく笑い合う。こんな風に大勢で楽しいの、嬉しいな。
　ハチ君を立ち上がらせて、みんなで次どこに行くか迷う。

「あそこのゲームセンター行きたい。俺」
「太一何するの？」
「お前とゲームでバトル」
「Wデートでしょ。四人でやろうよ」

　田城さんが呆れ気味に言った。この二人、いつもこんな感じなのかな。長く付き合ってるカップルの気心知れた距離感、うらやましい。

「いいよ、ふたりずつ別行動で」

　ワクワク顔の工藤君を見て、私は言った。
　そしてゲーセンで、私は驚きの事実を知る事になる。