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 あの日、私は授業の後ハチ君を迎えに行った。するとハチ君はもう帰っていた。
 それからハチ君は、保健室登校気味になった。
 半日保健室にいては、半日教室にいる。それほどまでに教室でのことがトラウマだったのだろうか。私、ひどい事したなあ。本当自分かわいさに……最低だ。

「星奈ちゃん、ご飯食べよう」

 ハチ君がテーブルをくっつけにやってくる。
 昨日もハチ君はお昼からだけ教室だった。普通、あんな事あったんだから逆な気もするけど。

「うん。今日は具合悪くない?」
「お昼も軽くしてきたし大丈夫。昨日も僕大丈夫だったでしょ」
「そうだね。具合が悪かったら保健室へ行くんだよ」
「うん。ありがとう。星奈ちゃん」

 それなのにハチ君は毎日、私に今まで通り寄ってくる。それだけじゃない。変わったことがある。

「愛内さん、八田君、お弁当一緒に食べよ」

 笑顔で田城さんが言った。手に赤いチェックのランチョンマットで包まれたお弁当を抱えている。

「田城さん。工藤君、いいよ」
「ありがとう、愛内さん。八田君は?」

 後で工藤君が田城さんの分のテーブルや椅子も運んでくる。

「本当はふたりきりの方がいいんだけど、いいよ」