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今日も息の詰まる学校から帰ってきて、スマホを開く。いつものように、画面をスクロールしてツイートを見る。今日もいつもと変わらない。みんなの苦しみが吐露されている。その中で、

『漠然と、この世界にいる意味がわからない。私なんかがいていいのだろうか。』

昨日死にたいと呟いていた天使ちゃんの新しいツイート。それを見て、私はとても共感した。

誰かが許してくれるわけじゃない。なら、私たちはどうして生きているのだろう?
考えてもわからない問いだ。
こればっかりは結局他者に認められたいということだろう。誰かに生きるのを許されたい。そんな甘い願い。

「叶いっこないのにね」

私は目を伏せて、ツイートをいいねし、スクロールした。すると、綺麗な海の写真が目に入る。フォロワーが旅行に行っていたみたいだ。
海かあ。
……小学生以来だなあ。
そんなことを考えながら、リツイートする。そして、呟いた。
『海に行きたい』

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毎日学校に行って取り繕った生活を送る。
「偉いね」なんて褒められても、
私のメンタルは、徐々に削れていた。

朝起きられない日が増えていく。夜は眠れない。

ある日ついに、私は夕方まで起きられなかった。学校を休んだため、お母さんはスマホの触りすぎだとめちゃくちゃ怒った。夜までスマホを返して貰えなかった。

「お母さん、ののかが心配なの、最近、起きれないことが続いてるでしょ?スマホのせいなら、スマホは没収します!」

なんて的外れなことを言って、私の居場所を奪う。もう何かどうでもよくなりそうだった。

一回休むと、その先はずるずるだ。どんどん昼夜が逆転していき、お母さんと激戦を繰り広げる朝が続く。泣きながら行きたくないと言う私に、「そんな風に育てた覚えは無い」なんて言われて、私は項垂れた。お母さんは勉強をしている私が好きだったんだ。「学校は苦しい」と何度伝えても理解して貰えなかった。学校に行けなくなった私に価値は無い。必要としてくれないんだ。

私は部屋から出なくなった。

テストがあるのを知っていたけど行かなかった。