旅の途中で私が書いていた小説は、帰ってからしっかり完成させて、短編小説コンテストに出してみた。すると、なんと一番下の賞に引っかかり、図書カードが貰えた。
親はめちゃくちゃ喜んでくれた。
……そのせいで、世界を小馬鹿になんかできなかった。
私はまた書こうとすら思ってしまったのだ。
人は変わるんだなあ。

その小説はもちろん紫亜にも見せた。
紫亜は「よくできてる……」と言って泣いていた。やっぱり、見せるには恥ずかしい。
私の想いが入りすぎている。
もうこんなのは書かないもん。