×××
海辺を綺麗にし始めて、どれくらい経っただろう。私が振り返ると、ゴミはほとんどなくなっていた。
「わーい!大分綺麗になったね!」
紫亜が楽しそうにトングを振り回している。「あーぶない」と言うと、しゅん、とやめていた。
「ありがとねぇ、さあさあ、あがって。風邪ひかないうちに体拭いて乾かしな。」
おばちゃんは海の家の人だった。海の家に入ると、二人にタオルを渡してくれた。扇風機の前で服を乾かす。
「ひとっぱたらきしたあとのサイダーは最高だね」
おばちゃんは美味しそうにサイダーを飲み切ると、お客さんが来たのを確認し、接客をしに行った。見ると、海に人が増えている。
私もサイダーを口にした。
「美味しい…」
私もつい口からでた。
今回みたいに、偽善だと思われるかもしれないけど良い事をするの、今までだってよくやってきた。
褒められるのが嬉しいから。
いい人になれるから。
でも、こうやって、誰かと一緒に頑張って、達成感を味わったことはなかった。
……達成感の味、なのかな。
このサイダーが今まで飲んだサイダーより何倍も美味しく感じるのは。
海辺を綺麗にし始めて、どれくらい経っただろう。私が振り返ると、ゴミはほとんどなくなっていた。
「わーい!大分綺麗になったね!」
紫亜が楽しそうにトングを振り回している。「あーぶない」と言うと、しゅん、とやめていた。
「ありがとねぇ、さあさあ、あがって。風邪ひかないうちに体拭いて乾かしな。」
おばちゃんは海の家の人だった。海の家に入ると、二人にタオルを渡してくれた。扇風機の前で服を乾かす。
「ひとっぱたらきしたあとのサイダーは最高だね」
おばちゃんは美味しそうにサイダーを飲み切ると、お客さんが来たのを確認し、接客をしに行った。見ると、海に人が増えている。
私もサイダーを口にした。
「美味しい…」
私もつい口からでた。
今回みたいに、偽善だと思われるかもしれないけど良い事をするの、今までだってよくやってきた。
褒められるのが嬉しいから。
いい人になれるから。
でも、こうやって、誰かと一緒に頑張って、達成感を味わったことはなかった。
……達成感の味、なのかな。
このサイダーが今まで飲んだサイダーより何倍も美味しく感じるのは。