双子には、幼なじみがいた。綾斗という男の子だ。綾斗は双子の理解者だった。しかし綾斗は身体が弱く、病気がちだった。双子は家から出で来ない時は、体調を崩していると思ってそっとしていた。その日も数日したら、また家から出で来ると思っていた。その日から綾斗は双子の前から消えた。当日七歳の双子には、辛い現実だった。十年たった今になってわかった。綾斗の両親は、多額の借金をしていて母親が働いて稼いだ金は、酒癖の悪い父親に全て使われた。切羽詰まった綾斗家族は夜逃げをした。こう聞くと、ドラマの様だが本当に綾斗の身にその現実は降り掛かった。多額の借金の理由は、綾斗の治療費だそうだ。