そのころリューセイは__
__ここは願望の宝玉が創り、リューセイが望む世界。いや、よく見るとどうも違うようだ。これはどちらかといえば、妄想の世界のようである。
リューセイは、いかにもラスボスが出てきそうな雰囲気の地底の洞窟らしき所に立っていた。
辺りは、地面の隙間から噴き上がる地下のマグマの熱によりシャク熱地獄である。
リューセイは目を覚ますとなぜか剣を構えていた。
(ここはどこなんだ? それに、この異様で脅威的な重圧感は……。てか、なんで剣なんか構えて、)
するとどこからともなく、「グオォォォォー!」とおたけびが周囲に響きわたる。
それと同時に、ドカドカと地響きがしリューセイのほうへと近づいてきた。
リューセイはそれを見ると、
「う、ウソだろぉぉ〜!?」
と驚き叫び後退りする。
そう巨大な黒竜が目の前までくると、リューセイを見おろしにらみ見ていたのだ。
(なんなんだ! これじゃまるで、物語に出てくるラスボス。
だけど……ん〜、っていうか。確か俺はみんなと一緒にいたはず。それなのに、なんでこんな所に)
そうこう思考を巡らせながら黒竜を警戒する。
「人間風情が、このワレを倒そうなど片腹痛いわ! 立ち向かって来たはいいが、仲間がやられるや否や逃げるとはな」
「……俺が? やられたみんなを置き去りに逃げた、っていうのか?」
リューセイは信じられずそう問いかけた。
「フンッ、何を戯けたことをほざいている。それとも恐怖のあまり、その記憶さえも吹き飛んだか!」
「……みんながやられた。それも俺は--」
うつむきリューセイは、なんでこうなったのかと考える。
(アベルディオ達を見捨て逃げた。……どう記憶をたどっても思い出せない。それにあの時、俺はみんなと宝箱を開けたはず。
それなのに、なんでこんな所に? んー、今は考えても分かりそうにないし。
その事については、黒竜を倒せば分かるかもしれない。って事は、やるべき事は一つだけだ!)
そう思い下を向いたまま、ニヤリと笑みを浮かべた。
「なぜ笑う? ワレに追い詰められ、恐怖のあまりおかしくなったのではないだろうな」
「さぁな。だが、おまえの言う通り。みんなを見捨て逃げたとしてもだ。今の俺は、もう逃げるつもりはない!」
そう言い持っている剣を黒竜に向ける。
「フンッ! まぁいい。このまま、おまえが逃げたとしても同じことだ」
そう言い大きな右手を振りかざす。するとそのすごい風圧により、ブオンッ!と周囲にとどろき渡った。
リューセイは、一瞬その風圧により吹き飛ばされそうになる。
だが、とっさに持っていた盾で、なんとかガードし数メートル後ろに飛ばされただけですんだ。
「つぅ……。痛みが感じる。って、やっぱり現実なのか? クソッ! それなら、なんで何も覚えていないんだ」
そう言い剣を持ち直し身構えた。
__『これは、思っていた以上に手応えがありそうですね。さぁ自分が欲するままに、その思いを--』
そう言い謎の声は慎重にリューセイの動きを監視する。
そしてその後リューセイは、アベルディオ達のかたきを打ち取るべく黒竜に挑むのであった。
__ここは願望の宝玉が創り、リューセイが望む世界。いや、よく見るとどうも違うようだ。これはどちらかといえば、妄想の世界のようである。
リューセイは、いかにもラスボスが出てきそうな雰囲気の地底の洞窟らしき所に立っていた。
辺りは、地面の隙間から噴き上がる地下のマグマの熱によりシャク熱地獄である。
リューセイは目を覚ますとなぜか剣を構えていた。
(ここはどこなんだ? それに、この異様で脅威的な重圧感は……。てか、なんで剣なんか構えて、)
するとどこからともなく、「グオォォォォー!」とおたけびが周囲に響きわたる。
それと同時に、ドカドカと地響きがしリューセイのほうへと近づいてきた。
リューセイはそれを見ると、
「う、ウソだろぉぉ〜!?」
と驚き叫び後退りする。
そう巨大な黒竜が目の前までくると、リューセイを見おろしにらみ見ていたのだ。
(なんなんだ! これじゃまるで、物語に出てくるラスボス。
だけど……ん〜、っていうか。確か俺はみんなと一緒にいたはず。それなのに、なんでこんな所に)
そうこう思考を巡らせながら黒竜を警戒する。
「人間風情が、このワレを倒そうなど片腹痛いわ! 立ち向かって来たはいいが、仲間がやられるや否や逃げるとはな」
「……俺が? やられたみんなを置き去りに逃げた、っていうのか?」
リューセイは信じられずそう問いかけた。
「フンッ、何を戯けたことをほざいている。それとも恐怖のあまり、その記憶さえも吹き飛んだか!」
「……みんながやられた。それも俺は--」
うつむきリューセイは、なんでこうなったのかと考える。
(アベルディオ達を見捨て逃げた。……どう記憶をたどっても思い出せない。それにあの時、俺はみんなと宝箱を開けたはず。
それなのに、なんでこんな所に? んー、今は考えても分かりそうにないし。
その事については、黒竜を倒せば分かるかもしれない。って事は、やるべき事は一つだけだ!)
そう思い下を向いたまま、ニヤリと笑みを浮かべた。
「なぜ笑う? ワレに追い詰められ、恐怖のあまりおかしくなったのではないだろうな」
「さぁな。だが、おまえの言う通り。みんなを見捨て逃げたとしてもだ。今の俺は、もう逃げるつもりはない!」
そう言い持っている剣を黒竜に向ける。
「フンッ! まぁいい。このまま、おまえが逃げたとしても同じことだ」
そう言い大きな右手を振りかざす。するとそのすごい風圧により、ブオンッ!と周囲にとどろき渡った。
リューセイは、一瞬その風圧により吹き飛ばされそうになる。
だが、とっさに持っていた盾で、なんとかガードし数メートル後ろに飛ばされただけですんだ。
「つぅ……。痛みが感じる。って、やっぱり現実なのか? クソッ! それなら、なんで何も覚えていないんだ」
そう言い剣を持ち直し身構えた。
__『これは、思っていた以上に手応えがありそうですね。さぁ自分が欲するままに、その思いを--』
そう言い謎の声は慎重にリューセイの動きを監視する。
そしてその後リューセイは、アベルディオ達のかたきを打ち取るべく黒竜に挑むのであった。