ここは洞窟の最深部付近。
リューセイ達は、扉の前までくると開けて中に入った。
辺りは他の場所よりも、あきらかに明るい。それに、さほどジメジメした感じがなく広い空間だ。
「ふぅ。やっとだな」
そう言いクライスは辺りを見まわす。
「ああ。なんとかここまでこれた」
リューセイはそう言うと、心の中で『よし!』と気合を入れる。
「そうだな。ここまでくるのに、思っていた以上に苦戦した。--ん? あれはもしや!?」
周囲を見渡しアベルディオは、奥の方に何かあるのが見えたためその場所へ向かい歩き出した。
そう石の台座の上には、五つの宝箱が並べられていたのだ。
他の四人もその事に気づき石の台座の方へと駆けよる。
「うわぁ、宝箱だ! それに、今まで見たのよりも小さくてキレイだなぁ」
そう言いユリエスは、宝箱を触ろうとした。
「まだ開けるのは待ってください。どうせなら、みんなで一斉に開けませんか? それに、私は一人で開ける勇気がないので」
そう言われユリエスは宝箱から離れる。
「ん〜そうだね。確かにイシスの言う通り、みんなで開けた方がいいかも」
「そうだな。そうしよう」
ユリエスとリューセイがそう言うと三人は頷いた。
そして改めて五人は、各自どの宝箱を開けるか悩みその場所の前までくる。
「僕は、この緑のにする」
「それなら俺は、この黒い宝箱にするか」
「ユリエスとクライスが決まったとなると。ん〜、この三つの中から選ぶわけか。そうなると、俺はこの白い方にしておく」
そう言いアベルディオは、白い宝箱の前に立った。
「じゃ、俺はこれにする」
リューセイは青い宝箱の方へと向かう。
「そうなると私は、最後に残った紫の宝箱ですね。そういえばよく見ると、みんなの装備と宝箱の色が同じです」
「確かにそうだな」
そう言われリューセイは、宝箱をみながら考え始める。
(ん〜もしかして、この装備と何か関係があるのか?)
だがそう思うも、何も考え付かずそれ以上は悩まないことにした。
「確かにな。だが何か意味があるなら、なおさら開けた方がいいだろう!」
「ああ。クライスの言う通りだ」
アベルディオがそう言うと四人は、ウンと首を縦にふる。
その後五人は、アベルディオの掛け声のもと、ワクワクしながら一斉に宝箱を開けた。
それと同時に五人の宝箱が、各々の色で光りを放つ。
するとその光は、周囲を覆い尽くし__
「「「「「うわぁぁー!?」」」」」
__そしてその光は、五人をのみ込んでいった。
一方謎の影は、五人が光にのみ込まれたことを確認すると姿を現す。
「クスクス……。いいですよ! いいですねぇ。まさかこんなにもあっさり、ワナにかかってくれるとは思いませんでしたが」
歓喜のあまり高笑いをした。その笑い声は洞窟内に響き渡る。
(ですが彼らは、自分の欲望に囚われ自らを破滅へと--そして、あの装備と共に消え去るのです!
そうこれで、英雄など生まれなくなるのですよ。では、彼らが生き絶えるのを待つとしましょう。
--多分あり得ないとは思いますが、もしもという事も考えておきませんとね。
それに、確認もせずに王都に帰りでもしたらあのお方に叱られてしまいます。いえ恐らく、それだけではすまないと思いますが、)
そう思った瞬間、身をブルっと震わせた。
「ふぅ……。嫌な想像をしてしまいました。--まぁ、余計なことを考えずに様子を伺うことにしましょうか」
謎の影は透視をするために、水晶を持ちながら聞きなれない言葉で詠唱する。すると、宙に五つの空間が開きリューセイ達五人を映しだす。
そして謎の影はその後、不敵な笑みを浮かべるのだった。
リューセイ達は、扉の前までくると開けて中に入った。
辺りは他の場所よりも、あきらかに明るい。それに、さほどジメジメした感じがなく広い空間だ。
「ふぅ。やっとだな」
そう言いクライスは辺りを見まわす。
「ああ。なんとかここまでこれた」
リューセイはそう言うと、心の中で『よし!』と気合を入れる。
「そうだな。ここまでくるのに、思っていた以上に苦戦した。--ん? あれはもしや!?」
周囲を見渡しアベルディオは、奥の方に何かあるのが見えたためその場所へ向かい歩き出した。
そう石の台座の上には、五つの宝箱が並べられていたのだ。
他の四人もその事に気づき石の台座の方へと駆けよる。
「うわぁ、宝箱だ! それに、今まで見たのよりも小さくてキレイだなぁ」
そう言いユリエスは、宝箱を触ろうとした。
「まだ開けるのは待ってください。どうせなら、みんなで一斉に開けませんか? それに、私は一人で開ける勇気がないので」
そう言われユリエスは宝箱から離れる。
「ん〜そうだね。確かにイシスの言う通り、みんなで開けた方がいいかも」
「そうだな。そうしよう」
ユリエスとリューセイがそう言うと三人は頷いた。
そして改めて五人は、各自どの宝箱を開けるか悩みその場所の前までくる。
「僕は、この緑のにする」
「それなら俺は、この黒い宝箱にするか」
「ユリエスとクライスが決まったとなると。ん〜、この三つの中から選ぶわけか。そうなると、俺はこの白い方にしておく」
そう言いアベルディオは、白い宝箱の前に立った。
「じゃ、俺はこれにする」
リューセイは青い宝箱の方へと向かう。
「そうなると私は、最後に残った紫の宝箱ですね。そういえばよく見ると、みんなの装備と宝箱の色が同じです」
「確かにそうだな」
そう言われリューセイは、宝箱をみながら考え始める。
(ん〜もしかして、この装備と何か関係があるのか?)
だがそう思うも、何も考え付かずそれ以上は悩まないことにした。
「確かにな。だが何か意味があるなら、なおさら開けた方がいいだろう!」
「ああ。クライスの言う通りだ」
アベルディオがそう言うと四人は、ウンと首を縦にふる。
その後五人は、アベルディオの掛け声のもと、ワクワクしながら一斉に宝箱を開けた。
それと同時に五人の宝箱が、各々の色で光りを放つ。
するとその光は、周囲を覆い尽くし__
「「「「「うわぁぁー!?」」」」」
__そしてその光は、五人をのみ込んでいった。
一方謎の影は、五人が光にのみ込まれたことを確認すると姿を現す。
「クスクス……。いいですよ! いいですねぇ。まさかこんなにもあっさり、ワナにかかってくれるとは思いませんでしたが」
歓喜のあまり高笑いをした。その笑い声は洞窟内に響き渡る。
(ですが彼らは、自分の欲望に囚われ自らを破滅へと--そして、あの装備と共に消え去るのです!
そうこれで、英雄など生まれなくなるのですよ。では、彼らが生き絶えるのを待つとしましょう。
--多分あり得ないとは思いますが、もしもという事も考えておきませんとね。
それに、確認もせずに王都に帰りでもしたらあのお方に叱られてしまいます。いえ恐らく、それだけではすまないと思いますが、)
そう思った瞬間、身をブルっと震わせた。
「ふぅ……。嫌な想像をしてしまいました。--まぁ、余計なことを考えずに様子を伺うことにしましょうか」
謎の影は透視をするために、水晶を持ちながら聞きなれない言葉で詠唱する。すると、宙に五つの空間が開きリューセイ達五人を映しだす。
そして謎の影はその後、不敵な笑みを浮かべるのだった。