(どちらにしろクマのことは心護様に相談してからがいいですね。今、急いで悪い方へいく感じもしません)
淋里の思惑を知って、ひとまず心護と淋里が衝突する事態にはならなさそうだ。
そして琴理の両親の『思惑』は、琴理が制さなければならない。心護の問題ではないから。
だが心護のことだから、『俺が自分で、琴理のご両親に俺を認めさせる』とか言いそうですね~、と思ってしまった。
「では、淋里兄さんの先ほどの言葉を受け取っておきます。話は宮旭日に帰ってから、父を交えて詰めましょう。花園殿、本日は急なことをして申し訳ない」
「いえ、そのようなことは。……心護様、どうか琴理をよろしくお願い致します」
そう言って、父が心護に頭を下げた。
それに母も続く。
「心護様、わたしの軽率な行動はいかなる処罰もお受けいたします。本当に、申し訳ございませんでした」
「問題ありません。今後俺があなた方に、琴理の隣は俺だと認めさせます。――誰にも、譲る気はありませんので」
真っすぐで芯のある眼差し。心護は心が強い。
それは琴理が憧れるものだ。
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話が終わったところで、心護「あとひとつだけ」と付け足した。
「琴理、花薗殿、少し愛理嬢に確認したいことがあるので、話をさせてもらってもいいだろうか」



