*
*
「うん、幸せだよ。私には京平がくれた思い出が、言葉がたくさんあるから」
京平は卒業式の次の日の夕方、ちょうど誰も病室にいなくなったタイミングで人生の幕を閉じた。
京平のお母さんから渡してもらった、京平が亡くなった朝に書いたという手紙を読んで私はその場に泣き崩れた。
この日が来たら泣かないでちゃんと京平を見送るんだと決めていたのに京平はそんな私の決意を、悲しくて切なくて、そして愛おしいその手紙でどこかにやってしまったから。
◆
杏奈へ。
最初に、これは遺書なんかじゃなくて最初で最後のラブレターです。
まず、卒業おめでとう。って昨日も言ったけど笑
本音を言うと、俺も杏奈と出会えたあの高校で杏奈と一緒に卒業したかった。
杏奈は生きることを諦めていた俺の前に現れてくれた運命の人だから。
素直になることが苦手な杏奈は知れば知るほどすごく可愛くて、バカって怒る顔も嫉妬する顔も、意外と泣き虫なところもギャップすぎる笑顔も、全部が大好きで愛おしいよ。
*
「うん、幸せだよ。私には京平がくれた思い出が、言葉がたくさんあるから」
京平は卒業式の次の日の夕方、ちょうど誰も病室にいなくなったタイミングで人生の幕を閉じた。
京平のお母さんから渡してもらった、京平が亡くなった朝に書いたという手紙を読んで私はその場に泣き崩れた。
この日が来たら泣かないでちゃんと京平を見送るんだと決めていたのに京平はそんな私の決意を、悲しくて切なくて、そして愛おしいその手紙でどこかにやってしまったから。
◆
杏奈へ。
最初に、これは遺書なんかじゃなくて最初で最後のラブレターです。
まず、卒業おめでとう。って昨日も言ったけど笑
本音を言うと、俺も杏奈と出会えたあの高校で杏奈と一緒に卒業したかった。
杏奈は生きることを諦めていた俺の前に現れてくれた運命の人だから。
素直になることが苦手な杏奈は知れば知るほどすごく可愛くて、バカって怒る顔も嫉妬する顔も、意外と泣き虫なところもギャップすぎる笑顔も、全部が大好きで愛おしいよ。