「いや、ちょっと、ね…」



ポテトと飲み物を頼んでから双葉の待つ席に戻り、今日あったことをお互いに話していく。



「へぇ。桐谷くん、だっけ?かっこいいじゃん」


「…っ!?ど、どこが。毎日違う女子といるような茶髪ピアス変態男!」


「あはは、でも杏奈のこと助けてくれたんでしょ?飛んできたボールを庇ってくれる、なんて少女漫画展開羨ましいよ。うち女子校だからそんなのないし」


「で、でも…」



素直じゃない私のことをまるごと受け止めてくれている双葉が、手を伸ばして背中の真ん中らへんまで伸ばした私の髪の毛をわしゃわしゃと撫でてきた。



「杏奈の良さわかってくれてる人がいて私は嬉しいよ。私の可愛い杏奈を褒められて」


「ちょ、やめてよ、もう…」



双葉がケラケラと明るく笑った。


サバサバした性格の双葉には、こんな私と卒業してからも関わってくれて感謝している。