そのために杏奈の人生に俺は必要ない。



「俺は…もう、杏奈のことなんて好きじゃない」



嘘だよ。今すぐ杏奈のことを抱きしめて、全部吐き出したかった。


伝えたかった。



「…だいっきらい!もう二度とあんたの顔なんて見たくない!」



でも無理だから。杏奈のことを幸せにしてあげられないから。


だから、これでいいんだよ、杏奈。



「…っ、ああ…っ」



誰もいなくなった公園で声を押し殺すようにして泣きながら、初めて早く死にたいと思った。


杏奈のいなくなった世界は、もう何も色がない。