「じゃ、私ここで待ってるから先お父さんと話してきなよ」


「ああ、じゃあ」



玲奈と別れて風間先生の待っている診察室に入ると、すでに母さんの姿があった。



「結果から言うと、あんまりよくないですね…」


「そう、ですか…」



やつれた母さんの隣で、そりゃそうだろと言いたくなるのをぐっと堪える。


治す方法のない重病が、ある日突然よくなっていたら逆に怖い。



「進行が少し早いかと思われます。これだといつ何が起きてもおかしくない」



…てことは、まだ余命は九ヶ月くらい残っているけど明日に死んでもおかしくないってことか?



「急ですが、明日から入院してしばらくは病院生活ということで…」


「待てよ、学校は?俺どこも苦しくない、大丈夫だから。学校だけは行かせてください」