「…玲奈には関係ないだろ」



そんなのわかっている。わかっているけど、やっぱり怖いんだ。



「いつかちゃんと話すよ。杏奈とは死ぬまでずっと一緒にいたいし」



だけどまだ大丈夫だ。まだ言わない。


この幸せな時間をもう少し続けていたっていいと思っていた。



「京平、今日この後私、双葉と約束があるんだけど…」


「ああ、うん。いいよ今日は一緒に帰んなくて。俺も家の用事があって早く帰んなきゃなんだ」



そっかと言って教室を出て行った杏奈に手を振り、少ししてから俺も教室を出る。


今日は定期検診の日で病院に行かなきゃ行けない日だったから、ちょうどよかった。



学校を出ると、風間先生に持っていくものがあるという玲奈がちょうど学校の前に来て、ついでだから一緒に電車を乗って病院に行く。