「私…もう一度京平とちゃんと話す」



素直になることの大切さを教えてくれた京平に、ちゃんと伝えに行くよ。





「…雪平杏奈?どうしてここに…」



次の日の放課後、双葉に協力してもらい玲奈さんの学校を突き止め、最寄駅から三駅向こうの高校の前で待っていると一人で帰っていた玲奈さんがちょうど出てきた。



「もう一度京平と会いたいの。京平と離れたこと、後悔してた。私は京平のそばにずっといたいから。だから、京平のいる場所をもし知っているなら教えてほしい」



玲奈さんは観念したように小さく息を吐くと、「わかった」と呟いた。



「ここに行けば全部わかるよ」



玲奈さんが見せてくれたスマホを覗き込むと、そこには“風間大学病院”と書かれた看板と大きな建物が写っていた。



「病院…?」


「そう。京平は心臓の病気なの。余命は残り半年」



私はその時やっと京平のついた嘘が、私のための優しいものだったことに気づいた。