「杏奈、どうしたの?そんなぼーとして」


「…え」



お母さんの作ってくれたハンバーグを見つめながらいつの間にかぼーとしていたみたいで、お母さんが心配そうに顔を覗き込んできた。



「あ、えっと…」


「おなか痛い?それとも学校で何かあった?」



いつもみたいに「なんでもないよ」と呑み込もうとしたのに、なぜかできなかった。



「…ちょっと、わからないことがあって」



普通親にこういう恋愛の話をするのは気まずいはずなのに、今は一人で抱えるにはもう耐えられないくらい色んなことが起きすぎていて誰かに、お母さんに聞いて欲しかった。


だから京平と付き合って別れた話を全て話す。