「先生!」



朝のホームルームが終わり、教室を出て行った担任の後を追いかける。



「…ああ、雪平か。どうした?」


「京平…どうして学校辞めたんですか?何かあったんですか?」


「…ごめんな。こればっかりは個人情報だから、言えないんだ。それに桐谷自身が言わないでほしいと望んでいるんだ」


「でも…」



先生はそれ以上は言えない、ともう一度言うと足早に行ってしまった。


別れたけど同じクラスで気まずい、これからどう接すればいいんだろう、と考えてはいたけど、まさか京平がいなくなってしまうなんて思いもしなかった。



「…どうして、何も言わないでいなくなっちゃったの」



その呟きは誰にも届くことなく消えていった。