「なにが?」


「いや、杏奈が素直に桐谷くんと夏祭り行きたいとか言うから、驚いて」


「な…っ、これは聞かれたからつい答えちゃっただけというか…。…絶対京平には言わないで。うるさいから」


「はいはい」



双葉が楽しそうに笑い、ポテトを一つ口に入れた。



「…ん?ねえ、杏奈」


「ん?」



シェイクをかき混ぜていると、ポテトをぽろっと机の上に落とした双葉が、窓の外を指差した。



「あれ…桐谷くんじゃない?」


「え?」



双葉の指差す先には、たしかに京平の姿が。しかもその隣には…。