「寂しい時は寂しいって言っていいんだよ。俺はどこにいたって絶対に杏奈のところに飛んでいくから」


「…ばーか」



照れ臭くてそっぽを向くと、京平は笑いながら私の頭を優しく撫で「じゃあね、また明日」と出て行った。


私には京平がいるから、寂しくなんてないよ。



そんなことが言える日は、まだまだ遠い。


＊


期末テストが終わり、残りは夏休みを待つのみとなった。



「夏休み、桐谷くんとどっか行くの？」


「うーん、まだそういう話はしてないけど、夏祭りは行きたいかな」



いつかのハンバーガー店で今日はシェイクとアップルパイを頼み、双葉と放課後を過ごしていた。



「驚き。恋ってここまで人を変えるんだね」