「大丈夫?」


「え、あ、うん…」



「桐谷こそ大丈夫?」と聞けない私はやっぱりひねくれているんだと思う。



「あれ、桐谷と…うわ雪平さん…」



ボールを取りに来た二人の男子のうちの一人、たしか隣のクラスの男子が、やべ、という顔で私を見た。



「おいうわ、ってひどいだろ」


「だって先輩、こいつ超ひねくれててみんなから嫌われてんすよ。関わるとろくなことないから」



散々な言われように、はあとため息をつく。


もうこういう反応には慣れているし、そんなの自分で一番よくわかっている。



「あの…」


「おい。そんなくだらないこと言う前に、まずは謝んのが先なんじゃねーの?」