勝手に嫉妬して八つ当たりするなんて、あれは完全に私が悪かった。


素直に京平と交換したいと言っていたあの子が、羨ましかった。



「俺の好きな人も、これからずっと好きなのも全部杏奈だけだよ。杏奈に俺の人生全部捧げる」


「ふっ、大袈裟」



嬉しくて涙が出てきて慌ててそっぽを向くけど、きっとそんなのお見通しな京平がぎゅーと強く、だけど大切なものを包み込むみたいに優しく抱きしめてくれた。



「…私もずっと好き」



だから私も京平の背中に手を伸ばし、小さな声で素直にそう伝える。


素直になることはまだ苦手だけど、京平の前では素直になりたいと思った。



だってそうすればきっと…。



「うん、知ってる」



京平はすごく幸せそうに笑ってくれるから。