「ん、ハチマキ?別にいいけど」


「はあ!?」



京平がするっとハチマキを取って女子生徒に渡した。



「え、なに杏奈…」


「なにって、だってハチマキ…」


「一緒の団だから色同じだし、大丈夫でしょ?」



そういうことじゃないのに。京平は何もわかっていない。



「あ、杏奈?」


「もういいよ。その子といれば?こっち来ないで」


「待ってよ、杏奈。杏奈が嫌ならやめるから…」


「だからいいって言ってんじゃん!何も知らないくせに…っバカ!」



驚いたように目を見開いた京平を突き飛ばして、走る。