「あとでグループに送っとくね」


「忙しくてもちゃんと水分補給はしなよ？倒れちゃうから」



優しい三人に「ありがとう」と素直にお礼を伝えて委員会の集まりに行く。


最近ではちょっとずつだけど素直になれてきている気がする。



それはそばにいてくれる双葉や、優しくしてくれるあの三人、それにいつだって真っ直ぐ気持ちを伝えてくれる京平のおかげ。


今の自分は少しだけ好きだ。


＊


「あーんーなー！頑張れー！」



恥ずかしくて顔を俯けながら五十メートル走の列に並び、「あとで覚えてろ…」と京平に念を送る。


京平があんな感じだから私たちが付き合ってるのはほぼ学校中に知れ渡っていて、通りすれ違いざまに噂されることなんてしょっちゅうだった。


これでも半年経って落ち着いてきた方だし、京平の牽制が怖いとかで嫌がらせはされていないけど、それでもやっぱり好奇の目に晒されるのは居心地が悪い。



「あはは、桐谷のやつ、本当杏奈のこと溺愛してるよね」