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「杏奈、髪の毛やってあげるよー！」


「こっちおいでー」



体育祭当日。委員会の役割分担表の紙を見ながらぼーと歩いていると、クラス席にいた女子三人組がおーいと手を振ってきた。



ポニーテールのキリッとした眉が印象の宮下麻由(みやしたまゆ)、おっとりとした性格のボブが赤木琴葉(あかぎことは)、サラストの外はねミディアムが特徴の面倒見がいい坂巻彩(さかまきあや)は一年の頃から三人でいるらしく、みんな噂とかは気にしないサバサバとした性格だからこんな私とも仲良く接してくれている。


そんな三人は仲良くおそろいのツインお団子をしていた。



「はい、でーきた。杏奈もうちらとおそろーい！」


「写真撮ろう」



手先の器用な麻由にしてもらったお団子に、思わず「可愛い…」と声が漏れる。


スマホを掲げた琴葉にこっちこっちと引き寄せられ、四人で写真を撮る。



「杏奈これから委員会で忙しいんでしょ？その前に撮れてよかった！」