京平と付き合って半年が経った。


最初は抵抗のあった名前呼びも、今ではそれほど気にならなくなった。



「雪平さんは体育祭何出るの？」


「五十メートル走。本当はもっと楽なのがよかったんどけど、余ってたから仕方なくね」



二年生に上がってからクラスの離れた天野くんとは、運悪くくじ引きで決まった体育祭実行委員で再会した。


天野くんはクラスメイトから推薦されたらしく、本人もあまり嫌ではないと言っていたけど私は運動が苦手でめんどくさいし、あまり気分が乗らない。



「桐谷は？何出るの？」


「なんだっけ。えっとたしか…」


「借り人競争でーす」



後ろから抱きついてきた京平に「ちょっと！」と反抗するけどぴくりとも動かない。



「なーに、杏奈ちゃーん。俺のいない隙に天野くんと仲良さそうにしちゃって。浮気ですかー？」