「え、ほんとにほんと?幻聴じゃないよね?」


「しつこい。もう言わない」



ぷいっとそっぽを向くと、桐谷が「やったあ!」と叫んで抱きついてきた。



「ちょっと離して!」


「やった、やった!やっと杏奈ちゃんと両想いだー!」


「うるさい!」



桐谷は私の腰に両手を回し、おでこを軽くくっつけてきた。



「俺も、杏奈ちゃんのこと大好きだよ」


「…知ってる」


「ちゃんと本気だからね」