桐谷が女関係断ったって言ってたの、本当だったんだ…。


ふっと小さく笑みがこぼれる。



「おまえ、何笑ってんだよ!」



リーダーの女子にぱんっと頰を平手打ちされる。


不思議とさっきまで感じていた恐怖がなくなっていた。



「バカだな、私なんかのために」


「はあ?何ボソボソ喋ってんだよ!」



私のこと好きだなんて、本当にバカ。



「杏奈ちゃん!」



扉を勢いよく開けて入ってきたのは、桐谷だった。



「な、なんで京平がここに…」