なんて返すのさえだるくて、そっぽを向き窓の外を眺める。



「なー京平、数学の宿題見せてくれー!」


「はー?昨日ちゃんとやってから寝ろよって連絡したのに。結局やんなかったのかよー」



桐谷は「仕方ないなー」と言いながらクラスメイトにノートを手渡した。



「うわーありがとう!マジで助かる!京平大好きだー!」


「暑苦しいなー。男からのハグは受け付けてませーん」



その様子を見ていた周りのクラスメイトがくすくすと面白そうに笑っている。



桐谷は良くも悪くも素直だ。


思ったことを思ったままに伝えているのに、嫌われることなんてなくむしろ周りから好かれているタイプ。



ひねくれて嫌われている私なんかとは住む世界が真逆の人間だからこそ、桐谷のことが嫌いな理由の一つだったりもする。