靴箱に向かって廊下を歩いていると、突然空き教室から手が伸びてきて中にぐいっと引っ張られた。



「な、なに…!?」



中には女子が十人ほどいて、みんな鋭い目つきで私を睨みつけていた。



「あんたが雪平杏奈?最近京平に付きまとってるって噂の」



リーダーぽい女子がずいっと一歩前に出てきて、ああそういうことかとすぐに理解する。


多分ここにいる女子達は桐谷の取り巻き軍の一部なのだろう。



「いや、別に私は付きまとってないし…」


「うるさいんだよ、知ってんだから。あんたが色目使ってるって!」


「あんたのせいで最近の京平付き合い悪いんだよ!」


「連絡先も消されたぽいし、おまえ何したんだよ!」



どんっと突き飛ばされ、咄嗟に床に手をつくけど捻ってしまったのかものすごく痛かった。