「なんだこいつ!杏奈ちゃんには懐いてる!」



気持ちよさそうにしているぶっちーを撫でながら、思わず吹き出す。



「ふ、あはは。桐谷が嫌われてるだけじゃん」



ぶっちーが頷くように「にゃー」と返事をした。


桐谷からの反応がなくて不思議に思って隣を見ると、桐谷は目を見開いて驚いたように私を見ていた。



「え、なに…?」



そういえば朝もこんなやりとりをしたことを思い出す。



「…やばい。好きかも」


「は?」


「杏奈ちゃんの笑顔、破壊力やば」



かっと頬が熱くなり、慌ててそっぽを向く。