「ついたー」



俺は凛が振り落とされないように加減しながら走っていたがそのぐらいでも名をはせているようなアスリート並みの早さだったので余裕をもってつくことができた。下駄箱からスリッパを取り出して教室に向かおうと思ったが場所を忘れてしまった。10年前のことなんか覚えてるかってんだ。俺は恐る恐る聞こうとしたが、



「そもそもあんたどんな脚力してるのよ。オリンピック出れると思うくらいの早さだったわよ」



しまった、ばれると厄介ごとになりそうだな。しょうがない、適当なこと言ってごまかそう。



「最近足鍛えてるからかな~(汗)」

「最近鍛えたばっかなのにそんな早くなるわけないじゃない。はぁ、まあいいわ」



凛に白い目で見られてしまった。悲しい( ;∀;)それはそうとして俺のクラスってなんだっけ?5年前のことだから覚えてねえ、、俺はあるきながら思い出していると近くを通ったクラスから人が飛び出してきた。



「おぉ、悠斗やっときたか、おそかったな」

「お前は...斎藤だっけ?」

「なんで疑問形!?」



そうだ思い出した!お前はクラスで仲良くしてた斎藤君じゃないか!大人になってからあんまりかかわってなかった忘れてたよ。



「もうすぐホームルーム始まっちゃうからまたね」



そういえば俺と凛はクラス違ったんだったな。



「ああ、またな」



そして俺は5年間味わってなかった6時間の苦痛を味わったとさ。





あ~疲れた。学生ってこんな苦痛を味わっていたのか...まあ俺も昔は味わってたんだけどね。



「悠斗、なんでそんなにげっそりしてんのよ」

「久々の授業がきつかったんだよ」

「何言ってるのよ。昨日も学校いってたじゃない」



いやまあそうだろうけどさ、俺の精神はもう20後半なんよ...



「あ!そういえば今日習い事あったんだった、悠斗ごめんだけど先帰るね」

「それもそうだったね。ばいばい」



俺は凛と別れた後はいつも凛と遊んでた公園に来ていた。



「お、あれは公園に来たら必ず一回は乗ってた滑り台じゃないか!懐かしいな」



俺が懐かしがってると機械音が頭の中で流れた。



『スキル【やり直し】により指定された場所に到着しました。これによりスキル「やり直し」からの報酬【ダンジョン入場パス(赤)】を獲得しました』



そんな機械音が鳴ると何もない空間から1枚の紙が出てきた。



「な、なんだ?ダンジョン入場パスって、もしかしてあの緑の化けものが出てきたところに入れる紙なのか?」



どうしよう、あいつは油断すれば人を殺す力を持ってるし、もしかしたらもっと強い化け物がいるかもしれない…でも、俺は凛を救うためなら何でもやると決めたんだ。



『入場しますか?YES・NO」



……YES!



『YESが選択されました。これにより転送を開始します』



俺は絶対に凛を救えるような力を得る!