けれどいつも雨の日になると、今日も来るだろうかと少し気にしている自分がいた。
雨予報の日はストックルームにタオルを準備するのが日課になっていた。
「すみません、タオル洗って返しますね」
「あ、大丈夫ですよ。雨拭いただけですし」
「ダメです」
レジの前でタオルを受け取ろうとすればなんとも華麗に阻止され、タオルはそのまま彼の鞄の中へと消えていく。
これで、何枚目だろう。
そして、何回目だろう。
本当に大丈夫なのになと思いながら、じっと見つめた。
どうしていつも、雨の日に傘を持たないのだろうか?とひとつの疑問。本当にいつもずぶ濡れなのだ。
今日も朝から雨が降っていたというのに。
再度、自動ドア越しに外を見れば先ほどよりも強くなっている雨。
ザーッと室内にいても土砂降りだというのが分かる音に変わっていた。
「……まだ、降ってる。嫌だな」
思わず感情を漏らしてしまい「ん?」と言いたげな彼の視線に捕らえられた。