追憶の君

青春・恋愛

森本奈々/著
追憶の君
作品番号
1716967
最終更新
2024/02/13
総文字数
26,221
ページ数
57ページ
ステータス
完結
いいね数
2
あらすじ
死に場所を探していた夏樹は、月の綺麗な幻想的な風景を独り占めにして死ぬことを決めていたが、そこには先客がいた。彼女の名前は夏希といい、ふたりは同じ読みの名前だった。余命一か月と宣告されている夏希の、「絵を描きたい」という望みを叶えてあげたいという気持ちから、夏樹はしばらくの間生き続けることを決める。絵が完成間近になったころ、思い出の場所に現れたのは彼女ではなく――。心に沁みる優しい純愛物語。

この作品のレビュー

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この作品の感想ノート

月の光に導かれて。
なんだか幻想的にも思えますが、その行為は容認できるものではなくて。
そこで同じ名前の少女と出逢ったことは、間違いなく彼の人生を変えるものだったのだと思いました。
2人の静かな時間は、言葉を交わす以上のやり取りがあったのかな、なんて思いながら読み進めていました。
彼の「月の光よりも、彼女の命の方が美しい」という考え方が、とても印象に残っています。
月の光に導かれていた彼が、彼女に惹かれている。
彼の価値観が変化したと感じさせてくれるものでした。
そして彼女を失った彼の絶望感が痛いほど伝わってきました。
描写力が高いな、と。
彼にとって輝いていた1ヶ月を知っているからこそ、より一層、胸を締め付けられました。
月の光に導かれて、月の光を忘れ、月の光がくすんでしまって、また、月の光に導かれる。
そのラストは運命的でよかったです。
素敵な物語を、ありがとうございました!

2024/04/06 15:14

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