だいたい鳥獣人スペースの日中のお預かりの子たちを全員見送れば、後片付けと翌日の準備……だと思ったのだが。
「ツグツグ先生はギルマスからお呼びだしですから、行ってくださっていいですよ」
「え……ギルマスから!?」
俺何かしたかな?
「悪い報せではないと思いますよ。こうして託児所スタッフになったわけですし」
「それなら……良かったですけど……」
どんな話なんだろ……?
ドキドキしながらもギルマスの元へ向かえば。
「いやー、早速職場見付けちゃうなんて凄いですねぇ」
「お……お陰さまで」
「それでは、託児所スタッフになってくださると言うことでいいですね?」
「はい、もちろんです」
もふもふちびっ子ちゃんたちと、もふもふライフ……最高すぎる。
「では寮も……今日からもふもふ亭に入寮できますから、そちらで。ヨモギ先生と同じところなので案内してもらってくださいね」
もふもふ亭……?寮までもふもふ感たっぷり……!?
――――とは言え無事に職と寝床を手に入れたので。
「もふもふ亭はこちらです」
ヨモギ先生と一緒に今日からの寝床へ。なんと冒険者ギルドのすぐ隣である。
「普段は冒険者やギルド職員たちの寮で、食事も出ますよ。夜は食事処なので外からも冒険者や職員が集まります」
「そうなんですね」
今は夕食時。お食事処となっている。
「ただいまー」
もふもふ亭に入っていくヨモギさんに続いて入れば、お店の中はカウンター席、椅子席、お座敷席などがあり広々としている。厨房には料理人の獣人たちがおり、そして店の中からは……。
「あら、いらっしゃい。ツグツグ先生は今日からよろしくね。ご飯の後に、お部屋も案内するから」
現れたのは……。
「あ、ガマグチヨダカ三つ子ちゃんまま!?」
だからあの時……っ!
「ティアと言うのよ」
「てぃ、ティアさん!」
「そうよ、さぁ、入って。席はお座敷でいいかしら」
「それで」
ヨモギさんが代わりに答えてくれて、こっちだと手招きしてくれる。
「あれ……ティアさんがここにいるなら、ちびちゃんたちはお父さんが?」
「夫はもうすぐクエストから帰るわ。うちの子たちは……あっちで遊んでるわね」
ティアさんが示した先には……。
元気にお座敷走り回る三つ子ちゃんたち~~っ!?そして周りの寮の入居者と見られる冒険者たちが見守っている……そう言うスタイルなんだ……!
そして俺に気が付いた三つ子ちゃんたちは、ぴたっと動きを止め……お目目を輝かせる……!
『せんせぇ~~~~~っ!!!』
お座敷にあがって腰かければ、さっそくとばかりに膝の上に三つ子たちが押し寄せてくれて……お膝の上がもっふもふである。
「あ、あはは……」
相変わらず懐いてくれて嬉しい限りである。
「せんせぇ、ここすむの?」
「そうだね、きりくん」
「はにゃとけっこん?」
「……それはおっきくなったらね~」
はにゃちゃんの頭をなでなでしながら、かわいいぬぁと和もうとしたのだが。
「娘はやらねぇぞ……っ!」
え、娘……!?
気が付けば俺の目の前に立ちはだかるもっふもふの……明らかにオーストラリアガマグチヨダカじゃない強面鳥獣人が見下ろして来るぅ――――っ!!?
そして。
『ぱぱ――――――っ!』
三つ子ちゃんの歓喜の叫びが響いた。マジで……お父さん……?でも何鳥獣人んんんっ!?