「ん」
「采都くん、本当にいいの?言わなくて」
「うん。言うのは片下先生だけ。本当に誰にも言わないでね。約束だよっ」
僕の左目が見えなくて右目は色が見えないということを。誰にも言わないと言うこと、ということだ。
見えなくなったのは小学四年生からずっと誰にも言わないと思っていた。中学に入ってある人に会うまでは…

3年後

中学入学後僕はちょっとやばい状況に陥っていた。だって放課後にこんなことを言われたから
「ねえ。君さぁ左目見えない?」
「見えますけど…」
とっさに嘘をついた
「今嘘ついたね?」
なんでわかった?
「嘘なんてついてませんよ。だって嘘ついて何の得があるんですか。」
「嘘をついたら自分の秘密を隠せる」
「ところでズカズカ聞いてきますけど、あなた誰ですか?」
「あぁ言うの忘れてた私は君と同じクラスで君の席の左斜め後ろの席の色彩葵帆だよ」
左斜め後ろ?そこ見えない…だって左目見えないもん
「はぁー左斜め後ろだから気づいたんですか?僕が左目見えないって」
「認めるんだね?」
「もう認めますよ」
「ふーん。じゃあネタバラシしたあげる」