恋する乙女は恐ろしい。
特に気の強い女の子は、何をするかわからない。
いじめられたりは、同じクラスに居ないからないと思うけど……靴を隠されたりしないといいな。
でも、靴を隠せば疾風に心配されるだろうって考えてやらないかもしれない。
彼女の中は、多分今は可憐ちゃんや私より疾風のことでいっぱいになっているだろうから。
「いざとなったら、あたし助けに行くから」
「ありがとう、可憐ちゃん」
「僕も、混ざるよ」
近くにいた稔もやって来る。何だかんだで、男の子同士疾風と仲良いもんね、稔は。
「みんなで、真由の毒牙から疾風を守ろうね!」
「うん、可憐ちゃん」
「ああ」
疾風を蚊帳の外にして、三人でヒソヒソ話し合う。これは、疾風のためでもあるのだ。
私より鈍くて、優しい疾風のため。
疾風は、優しすぎるぐらい優しいから。
それは、可憐ちゃんも稔も同じで。そして、私たちはとても繊細(せんさい)で弱い。
だから。
私たちは、みんなで守り合っていく。
かけがえのない仲間だから、当然だ。
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