「可憐ちゃん」

 私があっけに取られていると。

「行こう! 明日花ちゃん」

 可憐ちゃんが私の手を強く引っ張った。
 なので、私もそれに従う。

「うん、行こう」

 強がった口調で可憐ちゃんはそう言って図書館へと早歩きで向かい出す。
 私も当然それに続く。
 ふと振り返ってみれば、真由が鬼のような形相で私たちを睨みつけていた。

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