可憐ちゃんといると自分が女の子でいられる。

「明日花ちゃんのお団子できたー! セミロングにちび団子可愛い! 可愛い!」
「ありがとう可憐ちゃん。本当器用だねぇ」
「まあね! 趣味であり特技だから。あたし、自分磨きが好きだから!」
「さすが芸能人」
「えへへ。明日花ちゃん髪の毛綺麗だからいじりがいがあるよ」
「ありがとう。可憐ちゃんの髪の毛みたいになりたいな」

 本当に、それは私も心から思う、絶対ケア用品とかいいの使ってて、手入れもきちんとしてるんだろうなあ。
 私とは大違い。
 百均のコスメも持ってない私じゃ、可憐ちゃんみたいにはなれないって、ずっと卑屈に思ってたけれど、最近はお母さんと一緒に出かけた時に、買っちゃたんだ。百均のリップクリーム。ピンクの淡い色がついて、少し女の子らしさが上がった気分になったっけ。
 でも、学校で友達がいないから、お小遣いは貯まる一方で、百均じゃないコスメでも買えるんじゃないかって思うと途端に悲しくなった。
 村では友達と駄菓子屋さんですぐ使って、あっという間に無くなったのになあ。