ふたりとも、余計なことを言わないで。ますます疾風を意識しちゃうじゃん。
 絶対今ので意識してるってバレた。
 だって私、顔きっと()でダコになってる、恥ずかしい。穴があったら入りたいよ。
 私、涙目。すると保健室の先生らしき足音が聞こえた。
 慌ててみんなで元通りの場所に移動する。だけれど私の心の位置は、全然元通りになってくれなかった。
 その昼休み。可憐ちゃんと稔は楽しそうに私と疾風の給食をくっ付けておく。

「はーい! ラブラブカップルはこちら」
「おい、可憐!」
「僕たちはひっそり見てますんでお幸せに」
「稔! 明日花も困るだろ?」
「う、うん」

 正直ちょっと嬉しいと思いつつ、動揺しながら私はお腹が減ったので席につく。
 こういうのは、反応したら負けだ。
 そう思いながら、疾風がいつもよりかっこよく見えるのは、何故。
 絶対意識しすぎだ、やばい。心臓に悪いくらい疾風が輝いて見える。