「…………」
だけれど。
本当に、誰からも私が同情されるような事情なら、なんて思っていたけれど理想の境遇だと思っていた疾風の事情もそれはそれでしんどいらしい。
自分が正当化できれば、楽になれると言う妄想は間違いだったのだ。
誰か、どうして、何が、どうしたのか。
私たちは、ギリギリのバランスで生きている。
どこかで自分を守りながら、どこかで他人を罵倒しながら、虚勢を張って、なんとか保健室まで来れているのだ。
ほんの些細なことで、学校へ来れなくなって、不登校になってしまう、そんなスレスレで生きているのだ。
「とにかく、負けないで生きていこうね。あたしたち」
可憐ちゃんが私に手を差し出す。
「うん! 可憐ちゃん」
当然私は可憐ちゃんの手を取る。
「あたしは、明日花ちゃんの味方だからね」
「私も、味方だよ!」
手を振り解くと、拳を握りしめる。そして足元を見た後顔を上げて、可憐ちゃんを静かに見つめる。
逆光を浴びても、可憐ちゃんはやっぱり美しかった。
***
だけれど。
本当に、誰からも私が同情されるような事情なら、なんて思っていたけれど理想の境遇だと思っていた疾風の事情もそれはそれでしんどいらしい。
自分が正当化できれば、楽になれると言う妄想は間違いだったのだ。
誰か、どうして、何が、どうしたのか。
私たちは、ギリギリのバランスで生きている。
どこかで自分を守りながら、どこかで他人を罵倒しながら、虚勢を張って、なんとか保健室まで来れているのだ。
ほんの些細なことで、学校へ来れなくなって、不登校になってしまう、そんなスレスレで生きているのだ。
「とにかく、負けないで生きていこうね。あたしたち」
可憐ちゃんが私に手を差し出す。
「うん! 可憐ちゃん」
当然私は可憐ちゃんの手を取る。
「あたしは、明日花ちゃんの味方だからね」
「私も、味方だよ!」
手を振り解くと、拳を握りしめる。そして足元を見た後顔を上げて、可憐ちゃんを静かに見つめる。
逆光を浴びても、可憐ちゃんはやっぱり美しかった。
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