「あたしも初めは考えすぎて何もできなかったけど。将来のこと考えたら、気にしすぎたら負けだなって」
「可憐ちゃん」
「明日花ちゃんは、進路とか、考えない?」
「まだ早いかなって」

 つっかえるように私が言うと、私は可憐ちゃんから目を逸らす。
 進路、かぁ。
 正直まだまだ先だと思っていたけれど。ここにきて時間が過ぎるのがすごく早く感じている私がいて。
 このままいくと、受験なんかあっという間なのかもしれないと思い出す。

「そっか。あたしも曖昧。でも、早いなんてことはないと思う。人生に二度目はないし。だからこそ選択肢を増やしていかないなぁとって焦ってる」

 真面目な話題にちょっとビックリする私。そっかあ。可憐ちゃんって色々考えてるんだなぁ。
 そりゃ芸能人で、今すでに社会でしっかり働いてる素敵な女の子だもんね。
 すでに社会に()まれた可憐ちゃんにはリアリストな一面があって当然かな。大人だなぁ。